Question 3
以下は、写真家について書かれた文章である。
人の顔には個性が表れている。よく「写真家はその人の内面に迫らなくてはいけない」というようなことを言うが、心配しなくても写真には自然にそれが写っている。それこそが写真というものの特性だ。(注1)撮る者や撮られる者が気づいていてもいなくても、写真は<b>①そこにあるもの</b>をかなり正直に描き出す。自然に、当たり前のようにいま撮った写真にはその人の「人となり」(注2)が、顔や髪形、肩や手のしぐさに表れて写っている。
ポイントは、写真家が”そのこと”を強く意識しているかどうかという点にある。”そのこと”とはいま言ったふたつのこと。「人を撮ればその人の内面が写る」ということと「写真は写真家の気づかないことまで写している」ということ。
(中略)
<b>②写真は2度撮られる</b>という。シャッターを切る(注3)ときと選ぶときの2度だ。撮影の現場で気づいていなかったことも、それがその被写体(注4)の重要な構成要素であり、そこに写真家がセレクト(注5)の段階で気づき、そのことが一番よく表現された一枚を選ぶなら、それはその写真家の立派な作品、成功作だ。そしていい写真家ならその発見を生かして、現場でもっとこういうことをやっておけばよかったというフィードバック(注6)を得て次の撮影に向かう。そしてまた撮れた写真でまた新しいことに気づき、それを生かしていく。つまり写真家は前もって(注7)すべてを知っている人ではないが、なにも知らないで済ます人でもない、ということだ。
(注1)特性:特徴
(注2)その人の「人となり」:その人らしさ
(注3)シャッターを切る:シャッターを押す
(注4)被写体:ここでは、写真に撮られる人
(注5)セレクトの段階:選ぶ段階
(注6)フィードバック:ここでは、反省点
(注7)前もって:事前に
【①そこにあるもの】とは何か。
【②写真は2度撮られる】とあるが、なぜそう考えられるのか。
筆者によると、いい写真家とはどのような人か。