Question 3
(3)
作家が小説を書くときは、頭の中に書いているシーンが「絵」や 「映像」として浮かんでいます。そのシーンを言語化し、文字という記号にしているのです。読者は作家が書いた文字を読み、頭の中で想像しながら映像化します。そこで(注1)感情移入が起きて、笑ったり、涙したりしているのです。
小説が(注2)ベストセラーとなり映画化される(注3)とこの配役じゃない」「そのシーンは違う」といった声がよく上がりますが、これは<b>当たり前のことです</b>。映画というのは監督が原作を読んでイメージを膨らませ、映像化した作品だからです。原作の小説は読者一人一人が作家からの記号(文字)を受け取って、それぞれが自由にシーンを思い浮かべています。フランスの哲学者ロラン・バルトはこの現象を「作者の死」と表現しました。
「物語は作者の意図通りに読まなくてもいい。読者が好きな読み方をして、それぞれ解釈すればいい」
「作者は作品を支配できず、読者に解釈を任せなければならない」
ロラン・バルトはそう主張しました。私たちは作品の解釈を作者に求めがちです。これは作者の意図を正確に読み取ろうという発想です。そうではなく、作品の解釈は読者それぞれでいい。読者それぞれが頭の中で好き勝手に映像化していいのです。
(注1) 感情移入: ここでは、登場人物と同じ気持ちになること
(注2) ベストセラー : 最もよく売れている本
(注3) この配役じゃない: ここでは、演じている俳優がこの役に合っていない
【当たり前のことです】とあるが、なぜか。
小説の読み方について、筆者はどのように述べている