Câu hỏi 1
以下は、小説『望月青果店』(小手鞠るい著)についての書評である。
思春期の頃ころ、母親の存在を疎うとましく(注1)思った。初めて恋をした頃ころだった。恋するという感情が嬉うれしいような恐ろしいような気がしていて、何かのせいにしたかったのだと思う。自分の中には母親と同じ血が流れていて、だから恋なんかするんだ、全てお母さんのせいなのだと変な理屈で恋心を納得させようとしていた。
本書の主人公・鈴子(すずこ)(1)母親は天敵のような存在で、母からいつも逃げたいと思っていた。そして結婚に猛反対した母を捨てるような気持ちで誠一郎(せいいちろう)と一緒になったのだ。50代になった鈴子は、盲目の夫・誠一郎(せいいちろう)と盲導犬の茶々(ちゃちゃ)とアメリカでペンションを経営しながら穏やかな日々を過ごしている。(2)、小さな青果店を営む岡山の実家から母親の体調が悪いことを知らされ、5年ぶりの里帰り(注2)を計画するのだが、大雪による停電が続き里帰りは危ぶまれる。停電の中で様々な過去の記憶が甦(よみがえ)る。母との確執、初恋の人・隆史(たかし)と交わした約束......。
過去の記憶を過ぎたことと忘れてしまえればどんなに楽かと(3)。記憶は塗り変えることが出来ないから厄介で、いつまでも胸を締め付ける。思春期の頃(ころ)に母親に投げかけた酷い言葉がふとした時に生々しく心の中に甦(よみがえ)って居たたまれないような気持ちになる(注3)ことがある。
(4)、記憶は塗り変えられないけれど、新しい記憶を育むことは出来る。停電の中で鈴子(すずこ)は、結婚前に再会した隆史(たかし)が時間を超えて果たしてくれた約束を思い出す。それは、母から誠一郎(せいいちろう)へと旅立つ鈴子の背中を強引に押してくれた。誰にも言えない秘密の思い出だった。記憶は人の心を締め付けることも温めることも出来る。誠一郎(せいいちろう)との暮らしの中で育まれてゆく静かで豊かな幸福な時間は、鈴子の母への思いを少しずつ和らげてくれる。物語の最後で交わされる母娘の電話の会話はとても可愛(かわい)くて微笑(ほほえ)ましかった。本を閉じた後、(5)車を実家に走らせた。
(注1)疎(うと)ましい:いやな感じがして避けたい
(注2)里帰り:実家に帰ること
(注3)居たたまれないような気持ちになる:ここでは、落ち着いた気持ちでいられなくなる
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