问题 2
(2)
若い人たちの職業観で、気になることがある。ある調査では、自分に合った仕事をしたい、と多くの若者が考えているらしい。僕に言わせれば、それが大きな勘違いである。そんなことにこだわるから、ますます就職するのがキツくなるのだ。
仕事というのは社会のニーズだ。(中略)
たとえば僕の本が売れたとする。<b>売れた理由</b>は買った人に聞いてみないとわからないが、少なくともそこに穴があいていたから、とは言えるだろう。埋まっていない隙間があって、実はみんなが気になっていた。そこを本の形で埋めたから買ってもらえた。一見(注1)平坦な(注2)場所に穴が、つまり隠れたニーズがあったということである。
起業(注3)という言葉をメディア(注4)でよく目にするが、この言葉の使われ方を見ていると、平らな場所に新しく何かを積み上げるようなイメージだ。しかし話はまったく逆だと僕は思う。起業というのは社会にあいている穴を見つけて埋めることではないか。何か足りない、不便だとみんなが思っている。
それを埋めてやったら、即(注5)、商売になるはずだと。穴があったら入りたい。そう考えて、とにかく仕事に就き、身体を動かして現場の作業を知ることだ。どの穴も、外側から見て全体がわかるほど単純な形はしていない。入ってみないで頭でばかり考えたって何もわからないのである。
(注1)一見:ちょっと見たところ
(注2)平坦な:平らな
(注3)起業:新しい事業を始めること
(注4)メディア:ここでは、テレビや雜誌など
(注5)即: すぐに
【売れた理由】とあるが、筆者はなぜ売れたと考えているか。
若い人たちに対して、筆者が言いたいことは何か。